あたしの隣。

過去




唯は真剣な顔をして耳を傾ける。

「あたしね、8歳から下の頃の記憶が無いの…」


「えっ!?」

唯は目を見開いた。

まぁ、普通はそんな反応するよね…


「目が覚めたら、
病院で大人達が真剣な顔をしてなにか話てた」


「うん」


唯は悲しい表情をする。


「でも、茜くんが隣にきて、『心ちゃん、大丈夫だよ』って笑顔で呼んでくれたんだ…」


「茜くんが!?」


唯は信じられないという顔をした。

はははっ
今じゃ考えられないからね…


「そっかぁ…心、大変だったね…
辛い思いして生きてきたね…
辛いことがあったらあたしにいいなよ~」



「あ、りがと…唯」


優しくされると
泣きたい気持ちになる。

唯はあたしをいつも支えてくれる。

涙を堪えていると唯は優しく背中をさすってくれた。







< 12 / 34 >

この作品をシェア

pagetop