空へ。‐夢の先‐
横の壁にもたれた男に気づく。

龍と春樹の仲間、三田将之だった。


マリア「…………」

将之「龍を守る人間は何人もいる。あの頃とは違う。」

マリア「…あんたが話しかけてくるなんて珍しいわね」

将之「龍がいりゃそれを守るトシがいる。

トシがいりゃ俺もいる。…それだけ覚えとけ」



将之はそれだけ言うとその場を去った。

マリアもその後ろ姿をしばらく見つめると

不適な笑みをもらし
去っていった。



建物の間、春樹は壁にもたれて静かに目を閉じていた。







─────────…



紗姫「ただいまー!」

賢人「あ、紗姫。おかえり」

紗姫「賢人くんお疲れ!大変だねー仕事との両立は」

賢人「そうなんだけどさ、ここ、良いところだからやりやすいよ案外」

紗姫「そうなんだ!たしかにこの寮いいよね〜♪」




リビングのテーブルでパソコンを開いて仕事をしてる賢人くん。



あたしもその向かいに座って
宿題を取り出した。




賢人「お、珍しいなぁ(笑)」

紗姫「珍しいとかひど!」



────ガチャッ



賢人くんに文句たれていると、他のメンバーがリビングに入って来た。



幸平「ふー!あー疲れたぁ!」

雪「宿題ないし寝よっかなぁ」

拓「あれ?紗姫、勉強?」

紗姫「ちょ、何で拓まで笑うの!」

拓「笑ってないよー(笑)」



うん、拓、相変わらず爽やか。


春男「うぃーす、」



だるっそうな声を出して入ってきた春男くん。

その後ろから無言で入ってきた成二。

最後にいつも通りオドオドしながら入ってきた詩歌。




紗姫「………あー!ねぇ成二!」

成二「あ?何だよ、」


息なり大声出すなよ、と言いたげな顔。



紗姫「学校帰りに寄るとこあったんだけど忘れてたんだ!

原チャリ貸してくんない?」


成二「あ?じゃあ単車のケツ乗ってくか?」

紗姫「え、何で?」
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