年上王子様とのアリエナイ××①



真っ暗でなにも見えない中

暖かな手が頬にふれた。

「何でだろうな。お前を見てると
自分がどれだけ情けないことをしてるのかイヤでも分かるんだよな」


「西山さん」


「お前があいつへの想いが強ければ強い程、俺は
次第に分からなくなっていた」

「あたしは..ただ好きなだけです」

「誰に反対されても、か?」

「はい、誰に反対されても」


「今お前をこんなに不安にしてるのに?」

「はい」


そうだよ。

あの時確かに決めた。

絶対に離れないと。

ずっと一緒に

傍にいると。


翔さんがあたしを信じてくれたみたいに


あたしだって信じたい。


それにまだ

出来る事がきっとある。


「あたしを不安にさせるのも、安心させてくれるのも」


こんな気持ちにさせてくれるのも

全部全部


「翔さんだけだから」

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