年上王子様とのアリエナイ××①


子供のように夢中に見上げる北原さんが何だか可愛くておかしくて。

ついからかうような口調で言うと


「ああ。吸い込まれそうだな」


北原さんの言葉にあたしももう一度上を見上げた。


「本当だから」

ボソッと呟くように言った言葉に視線を移すと。


さっきまで上にあった顔がいつの間にかあたしの前にあって。


まっすぐ見つめる瞳にドキドキと心臓が高鳴る。


「本当って?」

ねぇちゃんと言ってよ

「さっき言った言葉」

「北原さん...?」


何だかいいムード?

このままチューしちゃったりとか..?


ちょっと待って、あたしまだそういうのは..


「観察したいっていうの。本当だから」

え?

「それって..」

「君の観察楽しみだな~」

クスクスっと笑いながら先を歩きだした。


...やっぱりこんなヤツと結婚なんて


絶対に無理かも...



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