叶わなくても
「わかった」

あたしは、一人で何買うか決めにきた。

詩織、あたしと聖也はなんとかやってるよ?

詩織が告白せずに言ったのを、正直都合よく思っている。

でもね、詩織が帰ってきたら何もかもが、終わってしまう。

だから、詩織には悪いけどもう少し後もう少しこのままでいさせて・・・

辛い気持ちと、罪悪感を抱えあたしは、歩いた。

やっと、決まった。

十字架のネックレス。

聖也、喜んでくれるかな?

きっと、今も詩織が一番なのは知ってる。

だけど、本気の笑顔をあたしに見せてくれるから、それでいい。


「お邪魔します」

「おう 入って」

「聖也のお母さんは?」

「買い物」

「そっか」

「ああ とりあえず、俺の部屋に行こうか?」

「うん」

相変わらず、聖也の部屋は汚い。

でも、聖也の部屋を片付けるは好き。

「あっ 聖也、渡したいものがあるの」

「ん?」

「お誕生日、おめでとう」

「・・・」

「バイト代で買ったから、安物だけど・・・」

「さんきゅっ」

抱きしめられた。

「あっ まだ、あるよ」

「何?」

「てっ、手作りクッキー」

「マジで?」

「うん」

「さんきゅっ」

「うん っで、そろそろはずして欲しいんだけど、手」

「えっ・・・無理 っていうか、嫌なの?」

「嫌じゃないけど・・・恥ずかしい」

「でも、離したくないから」

「もう・・・」

結局、二人で抱き合ったいたら、家に着いたのは七時前。

「おやすみ」

「うん おやすみ」

とっても幸せの一日だった。





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