叶わなくても
そして、どんどん近づいていくバレンタイン。

それにつれて、聖也の周りには当日チョコを受け取ってもらおうとして、近づいてくる女の子が増えた。

あたしは、もちろんいい気はしない。

そんなあたしを見て、聖也は笑う。

そして、前日の日。

「なぁ、今日暇?」

帰りに聖也に誘われて、あたしは困る。

今日は、沙李奈の約束の日。

「ちょっちょっと、今日はいっいとこが来て・・・」

「それマジ?」

「へっ!?どうして!?」

「目が泳いでるし、噛み過ぎだし?」

「うっ・・・ごめん」

咄嗟に、あたしは聖也から逃げ出した。

ごめん

聖也!!

家に着いて、沙李奈を待った。

「お邪魔しま~す」

あたしは、沙李奈にさっきの事をすべて話した。

「それは、羽衣が悪い」

「わかってる」

「明日ちゃんと、謝りなさいよ?」


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