不思議な国のありす


頭の中を整理しよう。

部活が終わって帰る準備をしていて、ロッカーを開けたら『ワタシを飲んで』と書かれた特製ドリンクなるものが置かれていた。
どうせ飯塚か高橋がくれた物だと思った俺はそれを飲んで、気が付いたらここにいた。
そして目の前にはうさ耳着けた怪しい男。
俺はアリス。

「そしてここは不思議の国?」

「はい、その通りです」

良くできましたと言わんばかりの微笑。

「アリスは女だろ?」

「例外もありです」

「誰が決めたんだよ」

「私が今決めました」

「………俺は何人目だ」

「83人目ですね」

そこは何も言わないでおこう。

話しによるとこの世界は不思議の国のアリスそのものらしくこいつは白ウサギ、他にもハァトの女王やチェシャ猫、帽子屋なども勢揃いらしい。

「なんで俺なんだ?」

「こちらの手違いで」

「…………は?」

「どうやらドリンクを届けに行った眠りネズミが寝惚けてロッカーを間違えたらしくて」



マジで一発殴ってもいいだろうか。




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