恋と狼と陸上と…
「ああ」

その人の口元がゆるんで、左の口角が上がったような気がした。



「今日はありがとうございました。」


私は頭を下げた。




「家、こっから近いのか?」


その人は心配そうに言ってくれた。



「はい、大丈夫です。うちはここです」


私は公園の真ん前の自宅マンションを指さした。

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