両想い

そんな俺の自己紹介とやらを簡単にしておく｡

名前は大野拓依(おおのたくい)｡
みんなからは大概"タク"と呼ばれている｡
地元の中学を出て今日からこのＳ高を通うことになった普通の男子高校生｡
特徴と言えばワックスで整えられた茶色の髪の毛に少しつり目な二重の目ぐらい
その他に特徴と言えるものは見当たらない｡


｢いたっ｣


けだるそうにクラスが張り付けられた掲示板の群れに混じっていると少し下から声が聞こえた気がした


｢ん？｣

俺はそっと視線を下に下げると小柄な女の子が俺を睨みつけている

………んー…
俺睨まれることしたっけなー…

彼女を見ながら首を傾げてる俺に彼女はイラッときたらしく
｢ぶつかってきたのに謝りもしないわけ!?もうちょっとで前の子達をﾄﾞﾐﾉにしちゃうとこだったんだから!!｣

そんな彼女に呆気をとられてると｢聞いてるの？｣と念を推され､意識を現実に戻す

｢あー…わりぃちっさいから見えなかった｣



｢…………｡｣

彼女は俺の言葉にさらに眉間にシワを寄せ俺を睨んだ


どうや
地雷を踏んだらしい
"ちっさい"は禁句だったようだ


｢ほ､ほら代わりにみてやるよ｡見えないんだろ…?名前は…?｣