BLUE-PLANET
「彗?」

「えっ? 何?」

黙り込んでいた隆也君が、急に私を呼んだ。



「違うのは『隆也』と『彗』だけ? 他のみんなは?」



隆也君のもっともな……と言うか、素朴な疑問。

でも。



「私、この世界に来てから、知っている人って……お母さんと弟にしか会ってないの」



あっ。

「それから、隆也君」



私がそう答えると、隆也君は軽く苦笑い。

その表情は、私の知っている隆也君とは少し違い、私を『ドキッ』とさせた。



「彗(きみ)が居た世界の話、聞いてみたいな」



隆也君はそう言うと、さっきとは違う笑顔をした。

私はその笑顔に頷いて応えた。



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