翼に甘くキスをして
始まりは、鬱金香
------‥

----‥




白い箱の中で生きてきた。



『おまえは、16さいになったら“みょうじ”がかわるんだ』

『なんで?』

『なんでもっ。おまえはおれとおなじ“みょうじ”になるのっ』

『それって、キミんちのコになるってこと?』

『うーん‥ちょっとちがうけど、いまはそれでイイや』



差し伸べられた手。



『“かぞく”になることにはかわりねーしっ』



ニシシっと元気良く歯を見せながら笑った男の子。


その手には、

器用に折り紙で作られたチューリップが‥


ゆらゆら、ユラユラ、



---‥揺れていた。





始まりは、チューリップ。



< 1 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop