溺愛プリンス
「お相手は、隣国のジュリオット姫です」
…………え……?
じゅ、じゅり…………?
「…………」
……ドク
ドクン ドクン
……あ、たしじゃ、ない……。
心臓が、重く、重く鳴る。
目の前が、真っ暗になる。
息が、うまくできない。
ホールの中は一気に祝賀ムード。
だけど……。
まるで時間に取り残されたみたいに、あたしは動き出せなくて。
笑ってるベルト王。
その隣で、キュッと唇を結んだまま顔を上げているハル。
彼の強い視線は、まっすぐにあたしを見つめていた。