光のワルツ


目の前にいる美里依に抱き着いた。
抱きしめて…確認する。
やっぱり、今、ここにいる。
目の前にいる。


「……なんで?夢?」

「…夢じゃないよ…つか、夢見てたのは蓮人じゃん…」

「えっ?」

「私が死んでから毎日毎日…ろくに生活らしいことしないで……泣いて…ご飯もまともに食べないし、夜も寝てないし……こんなことのために…私死んだんじゃないよっ!」

「……」

「なんのために私が命懸けたと思ってんの?!蓮人が大好きだから、生きてほしいからだよ?!こんな生活させるために死んだんじゃないっっ!!!」

「…………」

「生きてよ…私のために生きてよっ!!私は…私が蓮人の生きる理由だよ?!私がそう望んでんの!!!」

「だって…その生きる理由が…いなくなっちゃってんのに……無理だよ、俺は…そんなに強くないんだ………理由なしじゃ…生きれない…」

「…………」

「俺を殺してよ……もう…美里依なしで生きる方法がわからないんだ…」

「……………本当に殺して一緒にいれたら、どれだけ幸せかって…私だって思うよ…」

「ならっ」

「それでも殺さない、殺させない…どんなに寂しくても、辛くても……蓮人は生きて、幸せをまた作れるんだから…」

「……………」

「………ありがとう…私も…蓮人のおかげで生きることができた……私も蓮人みたいに一緒にいてあげたいけど…できないから…………」

「……………」

「……アハハ…ダメだ…笑いたいのに笑えないよ…あんなに練習したのに……………私だって……私だって、離れたく…ない……」

「美里依……」

「……そろそろ下につくね……あと10分……もう少しだけ…どっか回ろ?」


そのまま観覧車を降りて、周りに誰もいないベンチに座った。

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