ROMANCE

そんなアタシの考えてることなんて知りもせずお弁当箱をまじまじと見てる直也

「量増やしてもらっても、それでも部活終わりまではもたねーんだけどな」

そういうからアタシは軽くうなった

うーん、男の子の食欲ってのはよくわからない

今でもアタシのお弁当箱2つ分くらいの大きさのお弁当箱なんだけどな

「部活、大変そうだね」

肩に担いでるでっかいスポーツバッグは今日も重そう

男子剣道部に所属する直也は、今年から入ってきた1年への指導と3年からのプレッシャーの板ばさみで心身ともに疲弊気味な様子

「いや・・部員の方はいいんだけどさ、1年で新しく入った女子マネがものすげートラブルメーカーでさ」

女子マネ?

ポンポンポンポン・・・と漫画の回想シーンのように顔が浮かんでくる

「ああ!あのちっこくてかわいい」

「かわいいのか?」

「かわいい部類に入るでしょ、あの顔は」

「まあ、剣道部のやつらもまんざらではなさそうだけどな」

「余裕かましちゃって、直也もちょーっとは意識してるくせに」

並んで歩く背の高い直也の腕をひじでツンツン押した

直也は横目でチラっとこっちを見下ろすとフフンと鼻で笑う

「何、その不敵な笑いは」

「別に」

問いただそうとすると、横の道から飛び出てきた女子友に声をかけられて話が中断した

「みずき!おはよ」

スラっと背が高くて、涼しい目元の彼女は制服を着ていても大人びていて、うちの母親は会うたびに「ゆかちゃん、18才になったらうちの店で働いてよね」なんて言っている

ゆかは「時給次第かな~」って軽く流しているけど、そういう流し方まで母親いわく“水”に向いてるらしい
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