最果てのエデン

「ここにいて、俺がお前に最悪だっつった意味、ちゃんと考えて。でないと俺、お前のこと許せねぇ」


あたしの上に乗り上げたまま、イチくんはあたしから表情を隠すように右手で顔を覆った。

イチくんの左手が、あたしの右眼を触っている。
それだけで、そこは熱く疼き出しそうだった。


あの日の、記憶。

あたしは開放された手で、あたしの瞳に触れるイチくんの左手を包み込んだ。
そしてうんと呟くように了承する。

けれど、分からない。


『最悪だよ、お前』


――だって、そんなの、当たり前じゃない。あたしが、最悪だなんて、そんなこと。


考えないでも、当たり前だ。
イチくんはあたしに何を望んでるんだろう。

けれどその答えは闇の中。見つかりそうには、なくて。

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