最果てのエデン

なのになんで、俺もあいつも忘れないんだろうな。

零れたものはどちらかといえば自嘲だった。

ベストだけ脱いでロッカーに掛けてコートを取り出す。
裏口から外に出れば、夜風が肌に凍みた。もう冬なんだなと思う。

12月に突入すると瞬く間に街はクリスマス一色に染まり出す。
遠くに派手派でしいイルミネーションが見える。

それが不意に出てきた人影に遮られて俺は眼を細めた。


向かってくる顔に見覚えははっきりとある。芹沢だ。

口元に浮かんだ笑みを隠しもしないで、そいつを真正面から捉えた。
芹沢も大人しくさえしていれば穏やかに見える端正な顔に今日は攻撃的な笑みをつくっていて。


「――よぉ」

「――タケくん」

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