黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】


何分沈黙状態が続いてるのだろうか……

いや、何時間?


時計の針だけが虚しく響いている。


「……私、行くわ」

「……そう」

「お母さん……ごめんね」


お姉ちゃん……?

……どこ行くの?


お父さんも立ち上がり、玄関に向かう。


お母さんは俯いている。


「結奈……私、結奈のこと大好きだから。結奈が私のこと嫌いでも、私は結奈のこと大好きだから」


そう言って頭をぽんぽんと撫で、玄関の閉まる音がした。


どんだけバカなあたしでもわかった。


これが……




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