苦い舌と甘い指先




ため息を吐いて自分の席に戻ろうとしたのだが


ミツの攻撃的な目に気付き、足を止める。




「……何?」



「…俺、言ったよな。アイツと二人っきりになるなって」


「……だから?お前には関係ねぇだろうが。

それに、あたしだって好き好んでアイツの側に寄ってってるわけじゃねぇんだよ」



あたしだって、出来る事なら肥後から遠ざかりたい。


でも、アイツがしつこく寄って来るんだから仕方が無いだろうが。



なのに…ミツはあたしを馬鹿な女だと思ってる。



アイツにヤられたいと思ってる、その辺の馬鹿女を見る目であたしを見てくるんだ…!!



「もう、二度とアイツと話したりするんじゃねぇぞ」



「………」



「ジュノ!!」



……何だよ。何だよ、マジで!!

何で怒鳴られなきゃなんねぇんだよ!!



でも…こんなに怒っているミツは初めてで…。


不本意だったけど、このまま喧嘩するのも何だか嫌で。



「…わかったよ」



不貞腐れながら 守れない約束を、した。










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