ヌードなアタシ

ケイちゃんは、シンクで野菜を洗っている。
水の跳ねる音が響く。

話し声は聞こえないかもしれないけど
…話しにくいな



そう思っていた時
瞬くんが、ポケットから携帯を取り出した。



『…アドレス、教えて』


『う、うん!』



アタシは玄関に置いていた
バックを持ってきて携帯を出した。


『かわいいストラップだね…
こまちちゃんっぽい』


『あ、これね、
友達が作ってくれたの。
初めて友達…宝物なんだ』



『そっか、良かったね。

初めて会った時、
こまちちゃん友達いないって言ってたから
気になってたんだよ』


『ん…』



『じゃあ、オレは2番目のメル友な』



瞬くんが誇らしげに言った。


本当は
2番目は卓己くんだったけど…

何となく言いだせないまま



アドレスを交換した。




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