ヌードなアタシ

どれくらい時間が経ったかな

瞬くんはアタシが泣き終わるまで
ずっとそばにいてくれた。


『もう、大丈夫…泣き終わった…』



瞬くんの胸から
おデコを離し見上げる。


『そっか…じゃ帰ろう』



瞬くんはアタシの頭を撫でた手を下げ
そのまま手をとった。

2人、手をつないで歩き出す…


温かい手。
アタシの手をすっぽりと包みこむ。


『こうしてると、
恋人同士みたいだね』


アタシはつないだ手を見る。


『だから…オレは
彼氏のつもり満々なんですが…
ちがうの?』


瞬くんが笑う。


『うん。えっと…満々です』


アタシも笑う。

瞬くんは
アタシの彼氏、なんだ…


初めて瞬くんに会って
一緒にこの道を歩いたのは
ほんの1ヶ月前…


今日、こうして
手をつないで歩くなんて
思ってもいなかった。

瞬くんに出会えて良かった…

アタシは、つないだ手をぎゅっと握る。

瞬くんも、何も言わずに微笑んで
握り返した。

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