ヌードなアタシ

『よし、じゃ行ってくるか…
長沢さん、こまちと打合せしといて』


飲みかけの紅茶を一気に飲みほし
封筒の中身を確認した社長は
『俺、この後…直帰な』そう言って出かけて行った。



長沢さんは、アタシをソファーに座らせ
ローズ化粧品のパンフレットを差し出した。


『コレが去年のパンフね』


『外国人モデル…?』


『…そう。
ハーフのモデルらしいわ。
この商品のターゲットは20代後半。
落ち着いた感じで
質の良さ、高級感を打ち出してるの』


『はい…
モデルさんも大人っぽいです』


『こまちちゃんは年齢よりも
大人っぽく見えるし
メイクで雰囲気も変わるから
そこは心配無用よ』


長沢さんは、アタシの顔を
マジマジと見つめニッコリ微笑む。


『うん、合格!
とてもキレイな肌…
化粧品のモデルの条件は肌よ。
くれぐれも
ニキビや吹き出物には注意して』



今日から月曜まで
チョコレートは厳禁って事ね…



『オーディションの日は
今みたいにスッピンで来てね
なにも隠していない
そのままのこまちちゃんで勝負よ』



『あの…服装は?』


『ふふふっ…制服はダメよ。
とてもかわいいけど…
ピンクとか紫色の、お洋服持ってる?』

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