ヌードなアタシ

『そうだよ。
オレ、建築学科ってとこにいるんだ。

建築っていうと

建物とか構造とか…
大きなものを計画したり
設計すると思うでしょ?』



『うん、大工さんの仕事とか…』



『そうそう、

でも、それだけじゃない。

椅子とか、マグカップとか…

そーゆー家具や雑貨のデザインにも
実は、建築の考え方が
いかされているんだよ。

オレ、そーゆーデザインの
勉強をしてるんだ…』



『…すごい!
大介さんは、ウェブデザイナー
瞬くんも、家具とか雑貨のデザイナー

クリエイティブ兄弟だ』



『あはは。
オレは、まだ
デザイナーでも何でもない…

ただの学生だよ。

でも、将来…
そーゆー仕事が
出来たらいいなと思うよ』


2歳しか違わないのに
瞬くんは、もう将来にむかってる…


…アタシは?


アタシは
何がしたいんだろう…。





『到着です!
このマンションなの。
送ってくれて、どうもありがとう』


深々と頭を下げるアタシに


『どういたしまして…』


深々と頭を下げ返し…笑う。

『じゃ、またね…こまちちゃん!』


ポケットに両手を突っ込み
瞬くんは
今来た道を戻った行った。




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