ヌードなアタシ

奈緒は下駄箱にすがりつくように倒れ
…上履きを取り出す。

『アタシ一応、全部やったから…
見てみる?』


『ほんとー?すごいっ。
見せて見せて、見せてくださーい』



奈緒が飛び上がった瞬間
後ろにいた男子にぶつかった。



『こら、チビ!ぴょんぴょん跳ねるな。』



『ご、ごめんな…さい…って!
なーんだぁ、卓己くんじゃない!!』



『なに、朝っぱらから跳ねてんだ。
ったく、しょーがねーな』



身長はアタシくらいかな…

乱暴な言葉遣いとは裏腹に
女の子みたいに、かわいい顔してる…


『あ、こまちちゃん!
同中の水野卓己くん。

卓己くん、桜木こまちちゃんだよ。
同じクラスなの。
えへへ、超美人でしょ〜』


『あ、えと、桜木です、
よろしくね』


卓己くんは奈緒の頭に
ポンと手のひらを乗せて笑った。


『こいつ、うざいっしょ。
そそっかしいし…
でも、まあ、性格悪くないから
面倒みてやって、よろしくね』


『あっ、はい…』


『うりゃ、子供扱いすんなー
自分も子供のくせにー』


卓己くんの手を振り払って
こまちちゃん行こう!と言った奈緒の顔は
みるみる赤くなった。



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