史上最強お姫様の後宮ライフ覚書



「んー。まぁ王族の家族事情はほとんど手に入れたかなー。」

しかし、そんなリスティーヌの視線をものともせずにディアナは陶器を静かに置いた。

ディアナは侍女でありながら情報収集も趣味でしている。

そのため、もう到着してから1日も経っているならばその程度は収集できるだろうとリスティーヌも分かっていたのだ。


「とりあえず、今んとこ王様とお妃様は皇太子妃候補のことには口出ししてないみたい。だから問題は、やっぱ他候補の方々かなぁ…」


んー、と唸りながらポリポリと頬を掻くディアナ。

そして、それを見たリスティーヌはクスクスと笑いながら再び紅茶を口に運んだ。


「あーら、ディアナちゃん。あんたその程度の情報しか集められなかったわけ?」


そして、ゆっくりと紅茶を飲む主人をはっとした目で見たディアナは、「いえ、ご主人様。他にもありますよ?」と笑った。



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