小悪魔×俺様
◎咲樹菜



「咲樹菜、全部気持ち吐き出せ。」





いきなり言われてビックリした。




弘夢は、言わなくてもわかっちゃうんだね。




弘夢が大好きで、近くにいるだけで幸せ。




でも、お兄ちゃんを思い出すと痛くなる。




言っていいのかな?





「今の咲樹菜の近くにいてやれないんだから、話くらい聞かせろ。俺は邪魔なんて思わねぇから。」





そんな優しい言葉を言われたら、涙が勝手に出るよ。




今の体勢で良かった。




顔見られないでしょ?





「お兄ちゃん…最後も窓から手を振るだけだった。ってか、最後は避けられてたな…。」

「うん…。」

「お兄ちゃんも遥さんも大好きだよ。でも…あたしは2人にとって邪魔者だったんだね。気づけなかった。」

「…。」




弘夢の抱きしめる腕が強くなった。





「だったらハッキリ言ってくれたほうが良かった…。お兄ちゃんの申し訳なさそうな顔だけ覚えてるんだ。」

「咲樹菜…。」

「どうして…こんなふうになっちゃったんだろうね…。」





弘夢は一生懸命抱きしめてくれた。




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