君の光を想う


近道しようと普段は通らない狭い通りを抜けて、


暗い住宅街へ出ると街灯の所に二つの影が見える。



制服…髪型…

まさかとは思う、けど…




ようやく認識したと同時に苦しい呼吸の中叫んだ。




「っ──…柚!!」









俺の声を聞いた途端に、
一つの影がもの凄いスピードで逃げていく。

視界に入った光景は見知らぬ男に手を握られている柚。




息を切らし額から汗が伝う中、眉を寄せて柚に近寄る。



「あ、春…」


「──…お前、何やってんだよ」





< 14 / 347 >

この作品をシェア

pagetop