君の光を想う




「お、お前…実は部屋で一人ババ抜きやってんだろ、実は今日トランプ持って来てんだろ」


「持って来てねーよ」


「ハルハルの馬鹿ー!」


「いって来まーす!」






だからハルハル止めろっつうの。

慌ただしく出ていった二人。





やる事がなくなった俺は窓からの景色を見ようと椅子へ腰を下ろした。




「聖くん、前より格好良くなったわよねー。私でも惚れ惚れしちゃう!」




すっかり出来上がった大人達。

惚れ惚れって母さん…





「そんな事ないわよ、チャラチャラしちゃってー…遊んでばっかり」


「お、それより柚ちゃんも可愛くなって。やっぱり女の子は良いな」





お互いがお互いを謙遜しながら聖と柚の話を始めた。


まあ、聖は旅館の仲居さんからも通りすがる女からもキャーキャー言われてる。




何となく、


この先聞きたくない、気がする。







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