君の光を想う
一時間目が始まり、30分が過ぎようとしている。
見付からない様に携帯を取出し開いたと同時に。
扉が開く音。
視線を向けると息を切らせた柚が居た。
「せ、先生、スミマセン……!日曜日と勘違いしちゃって…!」
……お前はアホか。
きっとクラス全員がそう思っている筈。
しかも、今日は水曜日。
慌てている柚をじっと見つめていると、一瞬だけ目が合う。
初めは驚いた瞳をしたけど、微笑んで来た。
声に出さずに「バーカ」と向けると眉を下げて笑う柚。
笑う表情で、安心出来る様になったのはいつだろう。