妖精なアイツ【完全版】
「俺は美希を待っててん。」


長谷川は笑顔で答える。


…あ、そう…。


「僕も、ミッキーを待ってた!」


…はい?


何を言い出すんだ、この妖精は。


二人は向かい合って、目を合わせる。


二人の目からは、バチバチと、音を立てて、電気のようなモノが通ってる気がした。


「あの…?」


私は何がなんだか分からず、ただ傍観する。


「美希。」


長谷川が、私の方を向く。


私は何故かビクッとして、長谷川に耳を傾ける。


「今日はやっぱええわ。今度な。」


「…はあ。」


一体なんだというのだろうか。
二人は肩を並べて帰っていった。


「モテ子も大変やな。」


「兄貴…。」


そういう兄貴も、女の子を後ろに、3人程連れていますが。


…思ったより、美人を連れてますね。


「ま、お兄様程では無いけどなっ!」


兄貴は私の肩をポンポン、と叩いた。
< 116 / 152 >

この作品をシェア

pagetop