彼女に捧げる新世界
海の見える街から
















私は“災害”の後、偽名を使ってイスキアを後にした。



魔王が落とした雷は予測出来なかった自然現象として処理され、化学者たちを騒がせる。


直撃を受けたエルファリアは再起不能な状態で、技術チームは自殺しそうな顔でテレビに映っていた。

公では休暇中となっていたオルワンド首相、カイトは対応の遅れなどを謝罪し、責任として首相の辞任を公表。



自身が組織した軍を交通整備や都市機構の復旧にあて、沢山の支持を集め、惜しまれながら官邸を後にした…………。





今、私は彼個人所有の別荘にいる。


いつこんなものを購入していたのか、と思いながら何日か一人で掃除をしたり、洗濯をしたり………いろいろした。




休憩しようと出たバルコニーには真新しいベンチがあって、そこからは海を一望出来る。




まるで、映画のなかのような景色だ…………。






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