脱力くんの話によらず
住田くんの家にいる
私たちはレンタルで
借りてきたDVDを観ていた。
見終わって
外は薄暗くなってきたので
そろそろお暇しようと腰を上げると
急に住田くんが抱き着いてきた。
「まだいかないで」
いつも彼の行動は予想がつかない。
今だってこういうふうに甘えてくるとは思わなかった。
不意打ちだ。
「でも帰らなきゃ。
明日は入学式だし…」
通う大学が違う私たちは
入学式の日にちも違い
私は彼より早く行う。