脱力くんの話によらず

これから私たちは

違った景色をそれぞれ見ることになる。

学校にはもう彼はいないのだ。

自分たちが選んだ道なのに…

くじけてしまう。


「由香」


彼は優しく抱きしめて

私のあたまを撫でる。



「ありがとうね」

「ふぇ?」

「さびしいって言ってくれて
ありがとう」


ギュッと抱きしめる彼。

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