-Judge-

つまりは、そういう事だ。


この世界にリアルを求め、危険なことに対して快楽を感じる、そういった人間の集まりが「Judge」であるということ。
それがこの世界にきて三日目にして、なんとなく分かった。






「集まって下さい。」

それはとても静かな声だったけれど、無音の部屋にはよく響いた。

コンクリートで覆われたそこは、壁に焦げたような跡や何かに打たれたような跡があった。
所々には血の様なシミもある。
少しばかり外よりも気温が下がっているようなそんな気もする。


部屋の中央には、スーツに身を包んだ刀夜が立っていた。


「今から貴方たちにはこの場所で訓練をしてもらいます。合計52名。半年間に渡る訓練を乗り越え、生き残った者だけがこの場所に再び集まれるでしょう。」

その科白に僅かなどよめきが起こる。

だけど私は口を開く事も周りを見渡す事もしなかった。いや、出来なかった。

刀夜の周りを囲うオーラが何か違う。何より威圧感が他と違う。
冷たい瞳が、どよめくこの空間をゆっくりと俳諧する。



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