駆け引き×スクープ2~雪月鬼~

まさかの進展?






†side:壱十†




夏梨名ちゃんと別れてそれぞれの部屋に入る。




神田達はいなかった。




「ハァー……」




煙草をくわえて火を点ける。




「………」




少し冷静になってきた。




夏梨名ちゃんは、
人を頼ろうとしない。




それは最初から気づいていた。




職業柄、
人の嘘には敏感だ。




夏梨名ちゃんは、自覚していないみたいだが、
多分、夏梨名ちゃんは根本的な所で人を完全に信じ切れていない部分がある。




生い立ちのせいかもしれないが




必ずその線を越えさせないような。




赤川さんも多分気づいているな‥




彼女を、傷つけたくないと、




そう思うのは何故だろう。




なんて、
気づかないフリをする。



よく考えれば、
俺と夏梨名ちゃんはお互いを利用するための関係だ。




惹かれているのは解ってる。




だが彼女は、それを望んではいない。




俺も、
それを解っているから、気持ちを強要したりなどしない。




踏み出せば届く位置にいる。




だが、踏み出したくない。踏み出したい。




相反する気持ちを全て飲み込み、
いつものポーカーフェイスをつくる。




ーガラ




「あ、先輩~夕飯の準備するらし……ベベベ」




ーギュゥゥウウウ……




帰ってきた神田の頬を思いっクソつねる。




「ばんで(なんで)……」


「別に?」











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