駆け引き×スクープ2~雪月鬼~





†side:月詠†




ートントン




戸を叩く音。




しぃ…ではないな。
アイツ、ノックしてすぐ開けっから。




「はぁぃ…」




ーガラ




「夏梨名ちゃ……暗」




ズォォォオオン、と黒い効果音が聞こえそうな程、私は暗かった。




部屋の隅っこに体育座り



しかも今は浴衣で髪もおろしてるからマジで幽霊っぽい。




「…反省?」



「一応……」




もういいから、そう言って栗塚さんが畳の上に座る。




「はい。夕飯」



「ふぇ?」




頭の上になんか軽い重みが。




「プッ……バランス感覚いいね‥」




人で遊ぶな、言って、頭の上の物を取る。




おにぎり……




「まだあるよ、ハイお茶」



「なぜに?」



「え、喉詰まんない?」



いや、そうでなくて




「あぁ、売店で買って来たんだ。永沢が作った料理は食いたくないだろ?」



「みんなに……」



「言ってないよ」




なんで解るんだろ……




「あ、お金……」



「別に、安かったし。」


「…ありがとうございます……」



「ん」




ぱくり




あ、おにぎり美味しー




私、梅好き……




「誰か、誰かーーっ!!お、お客様が、お客様がーっ!!!」











< 84 / 124 >

この作品をシェア

pagetop