ヲタクの寄せ集め。
「そういえば…」

俺は、さっきから気になっていたことを言う。
「部員って、三人だけですか?」

そう。
部の申請には、部員が五人必要だったはず…
俺、棗さん、先輩と、三人しかいない。
「ああ、他にも二人いるよ。今は出かけているけど…。」
そう言うと、先輩はパンッと手をたたき、
「よし!じゃあ自己紹介をしておこうじゃないか!」
「いや、自己紹介も何も、俺と棗さんはクラスメイトで名前も知ってるし、後は先輩だけなんですけど。」
「あ、そっか。でも僕ら、名前以外は何も知らないじゃない?だから、好きな物とか嫌いな物とか話した方がいいと思うんだ。」
「…たしかに俺ら、ほぼ初対面ですもんね。」

俺と棗さんは、同じクラスだけど、話したのは初めてだし…
そう考えていると、「じゃあまず僕からねー。」と、自己紹介が始まっていた。

「二年一組長谷川亜琉斗(ハセガワアルト)です。好きな物は深夜アニメで、嫌いな物は
スイーツ(笑)です。」
「えと…スイーツ(笑)って…。」
「なんだ少年。そんなことも知らんのか。」

いつのまにかメガネをかけていた棗さんから、妙に上から目線で言われた。
これは常識なのか?
「スイーツ(笑)とは、ファッショナブルなかんじの、オタク男子が嫌う女性のこと。まあ、リア充死ねというやつだな!そんなことも知らんのか。これは一般常識だぞ。」

常識だった。一般の。
「…って、そんなわけないでしょう!少なくとも、普通の人はそんな単語知りません!」


< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop