君に聴かせたい
由里Ⅲ
部屋に閉じこもる日が続いた。



ベースを触る気にもならない。



後から聞いた話だが、この間も由里や拓海は雑誌の取材を受け、音楽番組に出演していたらしい。



でも俺は無音の部屋に座り込んでるだけだった。





机の上に置いた携帯が点滅している。



メールが来たらしい。



開く気がなかったが、身体が勝手に反応して手にとった。



由里からだった。



「ミーティングしたいからいつものファミレスに来て」

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