君に聴かせたい
由里

「ついにメジャーデビューか...」




駅へ向かう道を歩きながら由里がつぶやいた。




いつものようにファミレスに寄り、拓海と修平はバイトがあるとかで先に帰った後だ。




「ねえ、なんでレーベルからの誘いを断ってたかって話したっけ?」




ちょっとだけ前を歩いていた俺は後ろを振り返る。





「いや。聞いてねえと思う」
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