Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「だってスージー。権田ママのパーティだって、きっとほんのお小遣い程度のポケットマネーよ」
小林さんが怪訝な顔で言った。
「彼はアルバイトで稼いだお金だと言っていました。僕は信じます。彼は弟としてお姉さんである水沢さんに会いにきただけです。僕の知っているアメリカ映画のハッピーエンドは、思いやりと愛が溢れる暖かい家族のふれあいのシーンですっ!」
―わたしも信じられる。ふぁんたのやったことは、どれもこれも純粋でまっすぐだったもの―
「そうね、そうよね。私恥ずかしい」
小林さんがうつむいた。
そしてみんなはスージーの言葉に素直に納得した。