抹茶と茶菓子。
茶道部部員、柳田抹茶。名前は茶道好きな母さんが決めた。

茶道部は静かで、落ち着いている。部員は、男子も少なくない。

「あれ?まーちゃん、茶菓子は?食べないの?」
「ああ、これ…。私、抹茶だけで飲むほうが好きなんです。先輩、食べますか?」
「じゃあ、遠慮なくいただきます」
「着替えてきますね」
「ふぉーい」

茶道部では毎回着物に着替える。道着にちかい形だから、着るのも脱ぐのも割りと早い。

更衣室の個室から出る。と。
「お、柳田」
「あ、日野先輩、お疲れ様です」
「おう。お疲れ」
今日入部した日野茶菓先輩。下の名前、サガ、って読むらしい。珍しい名前だけど、私と同じで、母親が茶道好きだったから、付けられたんだと。
「…そういえば、日野先輩は、何で茶道部に入ったんですか?」
「それは…母さんに薦められて、仮入部して、はまったから」
「そうなんですか」
「柳田…は?」
「え?」
「柳田は、何で茶道部に?」
「それは…小さい頃から母さんに習ってて、好きだったから」
「へえ」
「自分で聞いといて興味なさそうな反応ですね」
「そうか?」
「はい」
「ま、いいや。俺帰るけど、お前は?まだ残んのか?」
「私も帰ります」
「なら、じゃあな」
「はい、お疲れ様でした」


漫画とかだと、こういうとき、送ってもらえるもんだけど、正直、それは困る。住んでるところバレるし、ね。
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