キスからはじめよう



渋々食べるあたしだけど内心は嬉しかった。



「ごちそうさまでした」



『おっ全部食べてくれたの?』


と、嬉しそうに微笑む柊。


「だっ、だって残したらもったいないから…」



素直になれないあたしに柊はクスリと笑った。



なんかムカつく………。





時計をふと見ると9時を指していた。


今日は仕事はお休みだから遅刻の心配はないけどそろそろ帰らなきゃ。洗い物したら帰ろう。


あたしなりの恩返し。



「柊、なんか色々ありがとう。洗い物くらいあたしにやらせて」



腕捲りをするあたしに


『いいよいいよ、座っててよ』



「やだ、やる。ご飯までいただいちゃったし、食器洗いくらいはさせてよ、台所借りるね」


と、半ば強引にキッチンに潜伏した。


そんなあたしに降伏したのか、柊は




『ありがとう』



って小さく笑った。
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