さよなら。愛しき人
会いたかった
ゆうりに会いたい――
そう思ってから、一ヶ月が経とうとしていた。
「恵理香?ため息ばっかりついて大丈夫?」
前に座っていた親友、千華がわたしに話しかける。
「うーうん。何でもないよ・・・。」
嘘。
ゆうりに会いたい。
あの時から、ずっと想ってる。
山犬に乗った風の感触。
ログハウスの香ばしい香り。
ゆうりからもらったレモンティーの味。
みんな・・・みーんな覚えてる。
馬鹿だな・・・わたし。
ゆうりのところに行けばいいのに――・・・
戸惑ってる場合じゃない・・・。