さよなら。愛しき人
くるっと背中を向けて、キッチンに向かうゆうり。
ホールみたいな家だから、家全体を見渡せる。
ゆうりは、棚から林檎を取り出すとわたしに向かって、林檎を軽く投げた。
慌ててキャッチするが、ベッドからずり落ちてしまった。
「痛ぁ……」
「大丈夫?皮剥かないで食べると水分あって美味しいんだ。」
ずり落ちたことはあまり気にせず、林檎を生のままで頬張るゆうり。
それもなんだか可愛いな、って思うわたし。