絆~いじめられても~
いじめの始まり
「真弓って、うざいよね」

コートを着て、帰ろうと思った時、悪口が聞こえた。
誰が行ったのかはわからなかった。

わかったのは、私の親友、浅野 真弓の悪口ということだけだった…

階段を降りようとした時、真弓が来た。

「苗、一緒に帰ろう!!」

苗とは私、香川 苗。
明るい笑顔で来た真弓。
悪口を言われてるなんて、知らないだろうな・・・

真弓と一緒に帰る私。
でも少し、さっきのことが気にかかっていた。

「ねえ~苗?今日さあ~うち、真織とケンカしたんだよね~」

いきなりの真弓の言葉。

真織とは、私たちのクラスのリーダー的存在、砂上 真織。

…さっきの悪口は、真織が言ってたのかな…
私は、てっきり、真織がさっきの悪口を言っていたのだと思った。

真弓は、一言多いときがある。
そして、口調もきつい…

「ねえ、真弓…」

私は、真弓にそういうところを注意させようと思った。

「なに?」

…でも、言えなかった。

「ううん、何でもない…」

きっと言ったら、真弓は気づつくかもしれない。
それに、悪口を言われたなんて知ったら、何か起こるかもしれない…
だから私は、なにも言えなかった。
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