教室バロック




「 ―― やっぱり空哉は、
将也の息子だなあと思うな 」


「 …え? 」



「 オレなんかはさ
全てにおいて、勢いで突っ走るけど

だからだいぶ仕事にしても
ケツ拭いてもらったりしてるんだよな


顔やらなんやらは
ホントにオレら、そっくりだけど

その若さでキチンと筋道立てて考えるのは
やっぱり将也の息子って感じだよ 」




「 ―― おじさんなら
こういう場合

   …どうしますか 」



おじさんは
手元のビールを自分でグラスに注ぎながら
一気にそれを飲み干す




「 … まずさ

オレの行った事、ある国でね
ある程度、薬物が許されている所がある
政府から配給されるんだ 」


「 ええっ?! 」


「 理由はな

―― そうしないと強盗するからだよ

それくらい常習性が高いんだわ 」


「 ……… 」



しばらく、おじさんの話を聞く


途中
花さんから連絡があり

『いっその事、関係してる奴
全員ここに呼んじまえ』と言われて


花さん、そして那智、比奈村


携帯を鳴らしても、
湯浅は電話に出なかった







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