仮想世界に生きる少年
「その通り。我々は組織名『W』を設立した。
そして世界のバランスを戻すように心掛けた。
初代総長である私は仮想世界で生きる者たちに『世界の成長を求める』と言い集めた」











「ちょっと待て…アンタ、何歳なんだ。
初代ってことは俺にしてみれば、ご先祖様ってことだろ」












「今は七十三歳だ。
我々管理側は産まれて亡くなり、記憶を持ちながら再び産まれ、仮想世界に生きることができるんだ。
そう、設定していてね。
仮想世界の住人は記憶を消去して、再び生きるようにプログラムされている」













「アンタの世界はどうなっているんだ。もう環境はもとに戻ったのか」













「いい質問だよ、ユキ君。
戻った。それが答えだ。
今からこの世界の年換算で二百年前に元に戻った。
だが、我々には仮想世界の住人を我々の世界の戻すことが出来なかった」













「さっき言っていたバランスが原因か」











「『能力』のない生活に耐えられるのか。我々は一つの決断をした」










「…」











「『超越者』を先に造ることだ」












「どうしてだ。
なぜそんな答えにたどり着いたんだ」













「我々は管理側の人間はもう皆、この仮想世界にアクセスしてしまい、我々も仮想世界から出られない状態なんだ」
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