仮想世界に生きる少年
12. 路線
俺は朝早く学校に登校して選手の管理をした。




仕事をして、綾瀬先生の手伝いをした。





毎日毎日、先生に使われる毎日だった。





始めは体力が無く、力が無く、やる気もなく、厳しい日々だったが、働くうちに体が慣れてきた。






そして、ある程度の余裕が出来て、選手の走りを観察した。






十一秒前後のタイムが多くいた。





俺の半分のタイムでゴールした選手を見て、走り方を観察して、データを集めた。






綾瀬先生はマネージャの俺にある課題を出した。





『身体を鍛えること』






マネージャなのに筋肉トレーニングだけは選手同様にやらされた。






そして、夏休みのインターハイが終わった時、綾瀬先生が俺をマネージャから選手に昇格させた。







俺は拒否らなかった。むしろ、選手になりたかった。







理由は一つ、集めたデータでどれだけの成果が出せるのかを知るためだった。







部員の走り方を観察し、速く、美しく、走るにはどうすればいいのかを研究した。








その実践ができるからだ。









俺は体力も昔以上にある。







誰にも負けない自信があった。








「山本君、タイムを測るからスタートラインで用意して」








「はい」
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