ひざまくらの後は?
「なんでっ、私じゃダメですか!?」

え、お姉ちゃんは何の話をしているのでしょうか。

さっき、お姉ちゃんが伝えた言葉って、もしかして……。

「辻さん、悪いけど」

「天音っ」

智くんの声にお姉ちゃんが私を呼ぶ声が被る。


突然名前を呼ばれて肩が跳ねた。

「……っ、は、はい」

智くんの腕の中から少し距離をとってお姉ちゃんを見ると、今まで一度も見たことのない動揺した情けない顔をしていた。

こんなお姉ちゃんの姿、見たことないです。




「私、諏訪さんが好きなの」


ーー心臓が嫌な音をたてた気がした。


急に息がしづらくなって、言葉がうまく出てこない。
そんな私に気づくことなく、お姉ちゃんが焦ったような掠れた声で私に訴えてくる。


「お願い……天音」

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