ひざまくらの後は?
「こ、こんなに時間がたっていたなんて気づきませんでした!どうしましょ~っ、夕食のメニューもまだ決まってないんです……」


オロオロと視線を揺らしながら諏訪さんを見つめると、

諏訪さんはまた小さく息を吐き、握っていた手を軽く動かし私を引き寄せた。


「じゃあ、麻婆豆腐がいい」


低めの声が真っ直ぐに私の耳へと届く。

一緒に息まで耳にかかって、恥ずかしさのあまり真っ赤になる私の髪を諏訪さんは指に掬って軽く弄って遊んでいた。


「夕飯決まったんだから、さっさと買い物して帰るぞ」


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