ひざまくらの後は?
手近にあった黒のスキニータイプの綿パンを裾あげしてなんとかはくと、恐る恐るリビングを覗く。

あ!智くんソファーで本読んでます!


さっきまで顔を会わせることにすごくドキドキしていたのに、
大好きな智くんの姿を一目見ただけで駆け寄ってしまう習性が私にはついたらしい。



「智くん、おはようございます!今日もかっこいい! 見てるだけで鼻血が出そうですっ!!」

「……なに言ってんの、お前は」


ふたりで座っても充分余裕のある大きめのソファーに座る智くんの隣に、バフッと豪快に座り込む。


一週間ぶりの生・智くんは、
はあ、と思わずため息が出るほど会えて嬉しい気持ちが溢れてくる。

彼という存在を身に染み込むくらい五感で感じたい。

やっと会えたんですし、今日はじっくりと智くんをこの目に納めなければ!


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